【知っておきたい】介護医療院でもリハビリを続けられるの?

リハビリ


介護医療院に入っても、リハビリを続けられるんですか?

担当患者様のリハビリ診療中。

付き添いで来られていた、

ご家族からのご質問。

実は数日前、主治医より

退院後の生活について

提案があったとの事。

それは、同じ病院の中にある

「介護医療院」という

施設への入所でした。



患者様とそのご家族が

最も心配していたのは、

この施設に入所した後

「リハビリが継続できるのか?」

ということです。



病院で行えるリハビリには、

その病気やケガの種類によって

一定の期間を設けられています。



施設に入所した後、

リハビリが継続できるのか?

不安に思われるのは、

当然のことだと思います。



結論から言うと、

介護医療院に入所後

リハビリを続けることは

できます!


しかし、リハビリの実施については

ちょっとしたルールがあります。


そこで今回は、

「介護医療院」という施設の

簡単な概要と

リハビリの継続について

少しだけご紹介したいと思います。



こんな方に読んでいただきたいです
  • 主治医から、介護医療院への入所を提案された方。
  • 介護医療院について、その概要を知りたいと思っている方。
  • 介護医療院に入所した後も、リハビリを続けたいと思っている方。




1.介護医療院ってどんな施設?


介護医療院は、

要介護1~5の認定を

受けている方に対し、

「長期療養のための医療(医学管理)」

「日常生活上の介護」

一体的に提供する介護保険施設です。


【介護保険施設とは?】
 施設内での介護にかかる費用に、介護保険を適応できる公的な施設です。
以下の4つの種類があります。

※介護療養型医療施設は、2024年3月で廃止が決定しています。

【介護医療院のイメージ】

出典:介護医療院公式サイト

<「医学管理」とは? >
経管栄養(胃ろう)・痰の吸引・点滴等、日常生活上に必要な医療処置。

<「看取り」とは?>  
無理な延命治療など行わず、高齢者が自然に亡くなられるまでの過程を見守ること。

<「ターミナルケア」とは? >
亡くなられる過程で、点滴や投薬などの医療行為を行うこと。


そのため、この介護医療院には

医師や看護師の配置が

義務付けられています。

また、生活施設として

病院とは異なり

居室(入所者の方のお部屋)は

カーテンのみでなく

パーテーションや家具などで

仕切りが設けられ

プライバシーに配慮

されています。

【介護医療院の居室】

出典:介護医療院開設に向けたハンドブック


病院やクリニックから

介護医療院に転換した施設も多く、

病院と同じ建物の中に

併設されている

施設も多くあります。

【病院内介護医療院】

出典:介護医療院開設に向けたハンドブック


このように、介護医療院は、

長期にわたり療養が必要な

要介護者(要介護1~5の方)に対し

「住まいと生活を医療が支える施設」

としての役割を果たすために

創設されました。


2.介護医療院でのリハビリ


冒頭で書かせていただいたように、

介護医療院に入所した後

リハビリを継続することは

できます!


介護医療院には、

「特別診療費」

という制度があります。

この「特別診療費」の中に、

「理学療法」「作業療法」

「言語聴覚療法」などの

いわゆるリハビリ診療が

設けられているのです。


また、施設に入所した直後から

集中的なリハビリを行えるよう

「短期集中リハビリテーション」

という制度もあります。


そのため、

病院でのリハビリ期限をむかえ

リハビリを行えなくなった後でも、

介護医療院に入所することで

集中的なリハビリを

続けることが出来るのです。


しかし、手放しに喜んでばかり

はいられません。

ここでもまた

「制度の壁」のようなもの

が設けられています。



3.リハビリ継続の「制度の壁」


介護医療院に入所後

リハビリの継続はできます。

しかし、病院でのリハビリに

期限があるように、

介護医療院でのリハビリにも

ちょっとした制限があります。


入所直後は、

「短期集中リハビリテーション」

によって集中的リハビリ

行うことができます。

この制度では、週3日以上の

集中的リハビリの実施が

義務付けられています。


しかし、集中的リハビリは

入所後3ヶ月までとなっており、

4か月目以降は、

通常のリハビリ診療の継続

となります。


それでも、施設によっては

週3日以上の集中的リハビリを

続ける場合もあります。

しかし、入所後5か月目になると、

週2回多くても3回程度まで

回数を減らす施設がほとんどです。

これが、「制度の壁」です。


なぜ回数が制限されるのか?

それは、入所後5カ月目以降は

月に11回目以上のリハビリについて

施設に入る報酬が減らされる

からです。


施設といえども

事業を継続していく

必要があります。

経営のためにどうしても

報酬の高い方を選択し

対応することは否めません。

そのため、ほとんどの施設が

5か月目以降のリハビリを

月10回までに制限して

提供することになるのです。


その他にも、人員配置の制度など

諸制度が設けられており、

介護医療院においても

制限なくリハビリを続けることは

なかなか難しい状況です。

【介護医療院のリハビリ】

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このように、介護医療院における

リハビリ継続には、

ある程度の条件があります。


しかし、病院での

リハビリ実施の期限をむかえ

継続が難しくなった後、

介護医療院に入所することで

短期的に集中リハビリを

継続することは可能です。

また、長期的には月10回程度

となる可能性がありますが、

身体の機能や日常生活の活動を

維持するためのリハビリとして

継続することは出来ます。


手放しに喜ぶことは

出来ないかもしれませんが、

こうした「見えない壁」

のような制度の中でも、

施設の職員はなんとか

リハビリが継続できるよう

頑張っています。


4.まとめ


今回は、「介護医療院」という

施設の簡単な概要と

リハビリの継続について、

少しだけご紹介させて

いただきました。


介護医療院に入所した後、

ある程度の制限があるものの

リハビリを継続することは

可能です。


「長期療養のための医療(医学管理)」

「日常生活上の介護」

そして「リハビリの継続」

介護医療院は、

このような特徴をもった

介護保険施設です。


思いもよらない病気やケガ。

長期の病院での生活。

さらには施設への入所の提案。

これまで経験のないことばかりで、

不安が募るばかりでしょう。


でもそんな時こそ、

患者様やご家族だけで悩まず

周囲の人たちに頼ってみてください。


病院や施設には

医療ソーシャルワーカーや

ケアマネージャーがいます。

不安なことがあれば

遠慮なく相談されてください。


また、気心の知れた

リハビリスタッフに

声をかけてみてください。

きっと良い提案を

してくれると思います。


今回の記事を読んでいただき、

施設入所を検討している方々の不安が

少しでも解消されれば幸いです。


最後まで読んでいただき

ありがとうございました。



厚生労働省「介護医療院公式サイト」は
こちらです↓↓↓


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