
骨折してもう1か月たったんやけど、ぜんぜん治らんとよ。
手首を骨折し
リハビリ診療を行われている患者様。
少し落ち込んだご様子。
診療中の作業療法士さんも
心配そう・・・
詳しくお聞きすると

骨折した時、「骨はどのくらいで治ると?」って先生(医師)に聞いたったい。
そしたら「1か月ちょっと」って言われたと。
あれからもう1か月。もうすぐギブスはとれるらしいとやけど、まだ「リハビリは続けんといかん」って言われたとよ。
私は、1か月ちょっとで治るって思っとったとに・・・。
ご心配のお気持ちよくわかります。
「1か月ちょっと」と言われると
「1か月ちょっとの期間で完治する。」
そのように思われることも
理解できます。
しかし、
最初に医師が説明した内容は、
間違っているわけではありません。
医師は骨折が治るまでの期間について
『ある基準』にもとづいて
説明したのだと思います。
そこで今回は、
『骨折が治るまでの期間』として
よく用いられる基準を
ご紹介したいと思います。
その基準とは
『Gurit(グルート)と
Coldwell(コールドウェル)の表』
です。
ぜひ最後までお読みください。
※後半に
『骨折を早く治すためのコツ』
についてもご紹介しています。
- 骨折した場合、治るためにどのくらいの期間が必要か知りたい方。
- 現在、骨折の治療途中で不安を感じている方。
- 骨折を早く治す「コツ」を知りたい方。
1.骨折が治るまでの期間

骨折が「治る」というと
どのような状態を想像される
でしょうか?
広辞苑によると、
「治る」の意味は、
「病気やケガがよくなる」
と記載されています。
しかし、
「病気やケガがよくなる」には
次の二つの捉え方があります。
一つは、
「病気やケガ自体がよくなること」
もう一つは、
「病気やケガがよくなり
元の生活に戻ること」
「病気やケガ」をすると、
以前と同じような生活をおくることが
難しくなります。
また、
「病気やケガ」自体が治ったとしても、
元の生活にもどるためには
ある程度の時間が必要になります。
特に骨折の場合、
骨がくっついても
関節の動きが制限されたり
筋肉の力が低下するなど、
骨折した部分やその周辺の
「機能が低下する」
ことがほとんどです。
そして、
この機能が低下することにより
食事が食べにくい
服が着にくい
お風呂で体が洗いにくい
などなど
「活動する能力が低下」し
日常の生活に支障をきたす
ことに繋がります。
そのため、
「骨折が治った」というためには、
骨がくっつくだけではなく
『身体(からだ)の機能が回復し
元の日常生活に戻る』
ことが必要になります。
これをふまえ、
骨折が治るまでの期間について
以下の『二つの基準』
が設けられています。
それが、
『Gurit(グルート)と
Coldwell(コールドウェル)の表』
です。

※スマホの方は、拡大してご覧ください。
「Gurit(グルート)の表」は、
骨がくっつくまでの平均的な期間
を表したものです。
これに対し
「Coldwell(コールドウェル)の表」は、
骨がくっつくまでの期間のみでなく
身体の機能が回復するまでの期間も
含まれています。
今回の患者様がおっしゃられた
「骨はどのくらいで治ると?」の意味は、
身体の機能が回復し
元の生活に戻ることが出来る期間
つまり、
「Coldwell(コールドウェル)の表」
に示された内容を求めていた
と推察します。
一方で
説明した医師は、
「骨がくっつくまでの期間」
を問われたと解釈し
「Gurit(グルート)の表」
をもとに説明したと思われます。
医師は、
リハビリ診療を行うにあたり
「リハビリテーションの計画」
についても
書面(計画書)を通して説明
を行っていました。
しかし、
患者様との認識の差を埋めるには
至らなかったようです。
さらに、
私たちリハビリを担当する療法士も
リハビリ診療時の説明が不足
していました。
「病気やケガ」をした方は、
想像以上に不安を感じられます。
私たち医療従事者は、
単に治療するだけでなく
この不安をできるだけ和らげ
安心を提供しなければなりません。
また、
「病気やケガが治ること」のみでなく
『元の日常生活に戻ること』にも
視点を置く必要があります。
これが、
真のリハビリテーションの考え方
です。
今回の患者様には、
現在のリハビリの進み具合や
今後の予定(計画)などを再度ご説明し、
ご理解いただいたうえで
しばらくの間リハビリを継続
させていただきました。
そして
骨折して約2か月、
無事にリハビリを終了し
元の日常生活にもどられました。
最後のリハビリ診療時に

ありがとう。もう来んよ(^^♪)
笑顔でちょっとユーモアのある言葉に
本当に癒されました。
2.骨折を早く治す『3つのコツ!』

ここまで
「骨折が治るまでの期間」
について書かせていただきました。
では、
少しでも順調な回復につなげるために、
私がおすすめする
骨折を早く治すための『コツ』
を簡単にご紹介したいと思います。
その「コツ」とは、
「食う」「寝る」「遊ぶ」
です。
1)食う

文字通り『食事』
つまり
良質な栄養をしっかり取ること
です。
骨折した骨を修復するためには、
多くのエネルギーと栄養素が必要
になります。
特に
「カルシウム」
「ビタミンDとK」
「タンパク質」
「亜鉛とマグネシウム」は
骨の健康維持や回復を支える栄養素
として知られています。

具体的には、
以下の表にそった食事です。

※スマホの方は、拡大してご覧ください。
この表のような食事を、
1日の食事の中で
バランスよく組み合わせ摂取
することが大切です。
さらに詳しく知りたい方は
病院の栄養士さんに相談
してみるのもいいでしょう。
サプリメントなどの
栄養補助食品を活用
することも一つの方法です。
ただし、
服用中のお薬や持病によっては
注意が必要な場合もあります。
活用を検討される際は、
担当の医師や薬剤師さんに
ご相談ください。
2)寝る

いわゆる「睡眠」です。
つまり、
十分な睡眠を確保すること
が大切です。
睡眠中は
脳から「成長ホルモン」が分泌
されます。
特に、
深い睡眠時にはその分泌が活発になる
とされています。
この「成長ホルモン」は、
骨の形成に関わる
「骨芽細胞(こつがさいぼう)」
の働きを助け骨の修復をサポートします。
一方で、
睡眠不足が続くと
成長ホルモンの分泌が低下し、
骨の再生や修復が遅れる可能性がある
と考えられています。

※スマホの方は、拡大してご覧ください。
そのため、
骨折を早く治すためには、
十分な睡眠時間を確保するだけでなく、
深く眠る「良質な睡眠」
を心がけること
も大切なのです。
まずは寝る前のスマートフォンを控える、
毎日同じ時間に就寝するなど、
できることから始めてみましょう。
3)遊ぶ

これは単に「遊ぶ」ということでなく、
「運動」することを指します。
骨を早くくっつけるためには
栄養が必要です。
その栄養をいち早く骨折した部分に
届けるためには、
血行(血流)の促進が必要です。
この血流を改善させるのが「運動」
です。
「運動」を行うと、
身体に必要なエネルギーを供給するために
「血管の拡張」「血管の柔軟性向上」
などが引き起こされ
血流量が増大します。
また、
毛細血管の枝が新しく伸びていき
さらなる血流の増大することで
『ケガをした部分の修復』
に繋がります。
骨折した部分については
ギブスなどで固定が必要ですが、
それ以外の部分については
運動することができます。
簡単なストレッチや
散歩(ウォーキング)
だけでも効果があります。

さらに、
重要となるのは「運動する場所」です。
先ほど
骨をくっつけるための栄養素を
ご紹介しましたが、
その一つ「ビタミンD!」
「ビタミンD」は、
骨の主成分である
「カルシウム」の吸収を助ける
役割を担っています。
この「ビタミンD」を生成する働き
をするのが「紫外線」
つまり『日光』です。
運動を外で行うことが出来れば、
運動による血流増加の効果だけでなく
「ビタミンD」の生成
にもつながります。
まさに一石二鳥です。

※スマホの方は、拡大してご覧ください。
いかがでしたか?
骨を早く治すための裏技
「食う」「寝る」「遊ぶ」
この「食う」「寝る」「遊ぶ」は、
単に骨への影響だけでなく
人の健康維持にも大きく影響します。
つまり『予防』です。
骨折を少しでも早く治すために、
そして健康づくりのためにも
ぜひ「食う」「寝る」「遊ぶ」の3つを
意識してみてください。
まずは一つからでも構いません。
できることから実践してみましょう。
3,まとめ

今回は、
『骨折が治るまでの期間』
としてよく用いられる基準
『Gurit(グルート)と
Coldwell(コールドウェル)の表』
をご紹介しました。

※スマホの方は、拡大してご覧ください。
「Gurit(グルート)の表」は、
骨がくっつくまでの平均的な期間
を表したものです。
これに対し
「Coldwell(コールドウェル)の表」は、
骨がくっつくまでの期間のみでなく
身体の機能が回復するまでの期間も
含まれています。
「骨折が治った」というためには、
骨がくっつくだけではなく
「身体(からだ)の機能」と
「活動する能力」を回復させる
必要があります。
つまり、
私たち医療従事者は、
「病気やケガ」が治ることのみでなく
『元の日常生活に戻ること』
に視点を置く必要があります。
これが、
真のリハビリテーションの考え方
です。
また今回は、
「骨折を早く治すためのコツ」
についてもご紹介させていただきました。
その『コツ』とは、
「食う」「寝る」「遊ぶ」
です。
「食う」つまり『食事』については、
骨をくっつけるために
「必要な栄養素」と「具体的な食事の例」
をご紹介しました。

※スマホの方は、拡大してご覧ください。
「寝る」つまり『睡眠』では、
「睡眠」より分泌が促進される
「成長ホルモン」の働きについて
ご紹介しました。

※スマホの方は、拡大してご覧ください。
そして、
「遊ぶ」つまり『運動』では、
「血管の拡張」
「血管の柔軟性向上」
「毛細血管の新生」など
これらによる血流の増大が
ケガをした部分の修復に繋がることを
ご紹介しました。
また、
日光を浴びることによる副次的効果
についてもご紹介させていただいました。

※スマホの方は、拡大してご覧ください。
「病気やケガ」をした方は、
想像以上に不安を感じられます。
私たち医療従事者は、
単に治療するだけでなく
不安をできるだけ和らげ
安心を提供しなければなりません。
今回の記事は、
私たち医療従事者の反省を込めて
書かせていただきました。
この記事が、
骨折された方々やそのご家族の安心に
少しでも繋がれば幸いです。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。

-160x90.png)

-160x90.png)

